未来の自分に、何をプレゼントしたいですか?
Author山本 美穂子
- 公開日 2023年12月24日 13時15分
これまでに私は、ほぼ1年に1冊のペースで、
『あなたの人生を劇的に変える キャラクトロジー心理学入門』(日本実業出版社,2018年)
『セラピストのためのバウンダリーの教科書』(BABジャパン,2019年)
『どうして言いたいことが言えないの?』(大和出版,2020年)
『バウンダリーの魔法』(BAB ジャパン,2022年)
と、4冊の本を上梓してまいりました。
そんなふうに書くと、さぞかし文章を書くのが得意なように聞こえますが
実は私は、あるトラウマティックな出来事の後、2020年頃から自分の思いを文章に書くことができなくなりました。
それは折も折、BBSHの卒論を書かなければならない時期でもあり、4年間の学びを経て「こういうことを書きたい」というコンセプトは頭の中にしっかりとあるにもかかわらず、どうしてもそれを文字にすることができなかったのです。
それまで自分にとって何の苦もなくできていたことが、突然、まるで神経がブツっと切れたかのようにできなくなる、それは恐ろしい体験でした。
その後も文章が書けない状態は続きましたが、ある時、リハビリのつもりでブログを始めました。
自分の中の想いや自分なりに構造化したものを言語化し、二次元的な文字に落とすという作業をとにかく少しずつでもいいから続けるというチャレンジを始めたのです。
オーラル気質の強い私にとって、「もうできなくなった」から「諦める」ではない選択をするというのはものすごいチャレンジです。
そしてまた、オーラルゆえに内側にたくさん持っている “伝えたいこと”や “表現したいこと” を何がなんでも伝えていきたいというところに立ち続けること−−−私は苦しみながらもひたすら頑張ってきたのです。
やがて年月が過ぎ、1冊目の本『キャラクトロジー心理学入門』を書くことが決まったとき、私は自分が文章を書けないということを諦めました。
もうできなくなったから諦めたわけではありません。
文章にまとめることはできないけれど、言語化することならできる。
だったら、私が口頭で話すことを聞き取って文字にしてもらえばいい。
そんな工夫をすることで、私は自分の内側にある想いを表現し、一冊の本という形にすることができました。
そのようにして4冊の本を世に送り出してきました。
まだ書籍という形にはなっていない原稿もあります。
これだけ書いていると、自分が少しずつ成長してきているのが分かります。
自分で文字にすることはできないけれど、自分で文章を書いていた頃にはできなかったことが上手にできるようになっている、つまり、新しい才能が開いていっていることもまた感じています。
オーラルだからこそ、「諦めない」ということ。
「コツコツコツコツ、やっていく」ということ。
それを続けてゆくと、自分が思いもしなかった未来に到達できるというギフトがあることを体験しています。
もしもトラウマを負ったあの時、「もう書くこと、表現することは怖いからやめてしまおう」と決めていたら、今の私は多分なかったでしょうし、
「私はもう自分では書けないから」と自分を投げ捨てていれば、やっぱり今の自分は育っていなかったでしょう。
困難だと思うことに取り組み続けるからこそ、今まで見えなかった、想像すらしていなかった未来を自らの手で作ってゆけるのです。
ぜひあなたも、諦めたり挫けたりしそうになった時には、未来の自分にどんな人生をプレゼントしたいのか、それを考えてみてください。
人生を考える時には、長いスパンで物事を考える必要がありますが、それはすなわち、長い人生の先にある自分の未来、見えない未来を信じるということです。
諦めなかったんだよ、私。
未来の自分へのプレゼント。