あなたというギフトを世界にプレゼントする
Author山本 美穂子
- 公開日 2023年3月9日 17時53分
我が家の前の砂浜のビーチクリーンを始めた頃、
拾っても拾っても拾っても拾っても果てしなくゴミがあって
これって本当に終わるんだろうか? といつも思っていました。
せっかく向こうには美しい青い瀬戸内の海が広がっているのに、
砂浜はゴミだらけ。
ペットボトル、缶、ポリ袋......
それらすべてが
人の手を通ってここにあるとわかるものばかりでした。
拾っていると、中には小さく削れていたりするものもあり、
その小さな破片を魚が食べてしまっていたら?
いつか人間の体の中にも入ってくるんだよね?
そう思うと、
「いつ終わるかわからないしやめよう」っていう気には
なりませんでした。
人の手から放たれたものが人の手によって回収される。
それをやってみようと犬の散歩の時間にゴミ拾いを続けていたら、
1年経った頃、「あれ? かなりきれいになってきた?」
と、気づきました。
まったく終わりの見えないゴミの山でしたが
とりあえず手当たり次第、目のつくところから
ちょっとずつ、ちょっとずつ
自分の持っているレジ袋がいっぱいになるまで続けるので
1年経ったら、終わりって見えるんだ! と思いました。
最初の頃は、近所のおじさんから
「やったってきりがないだろう」と言われることもありましたが
ある時から他の人も拾うようになり、
そのうち私がいなくても誰かがお掃除しているようになり、
浜がどんどんきれいになって家族連れが海に来るようになり
子どもたちが、海ってどんなものかを知るようになり……
(ビーチクリーンの絵本も作りました!海のようせいみーちゃん)
・・・これって、
自分自身の問題に取り組むときも一緒なんですよね。
最初はゴミが山積していて
どこから手をつけていいかもわからず
途方に暮れていたところから、
手当たり次第に一個ずつやっていったら
時間はかかっても、
やがてすごくすっきりしてくる。
そうやって自分を癒していったそのあとに
今度はきれいになったその場所で
みんなが遊びはじめ、私も遊ぶ。
そう、自分を癒すと決めたとき
最初は辛くて終わりが見えないけれど、
あるところを超えると
愛や幸せ、喜びに開きはじめ
自分とは何者か、ということが見えてきます。
自分を癒すことは、自分一人のためのみならず
自分を中心に、360度
過去も未来も全部を癒してゆける道なんだな、と
私は自信を持って言えます。
現在、砂浜は見違えるようになり
時折ゴミはありますが、あの頃のゴミの山とは雲泥の差です。
でも、私がやってきたことは、
自分が持ってきたゴミ袋がいっぱいになるまで拾う、をただ続けてきただけ。
両手に持てるだけ拾おう、と
ただやってきただけ。
やってきたからこそ見える風景や世界があって、
これは本当にやらないとわからない。
今は、これまで私はたくさんのことをやってきたから
見える世界も広がっていて、
だからこそ、もっともっと
人のために尽くそうと思える。
仕事って、世界に私というギフトを
プレゼントすることなんです。
それが仕事になるって、
本当に幸せなことじゃないですか?
お金儲けの方法は世の中にいっぱいあるけれど
それだけでは人は満足しない。
あなたは、あなたというギフトを
世界にプレゼントしていますか?