母親からの影響
Author山本 美穂子
- 公開日 2023年11月15日 18時55分
私たちの子どもの頃の記憶というものは、
周りにいる家族、特に愛する母親を“子どもの意識”からしか見ていません。
それゆえに、どれほど深く母親あるいは家族との関係性に影響を受けているか、
私たちはあまり気づいていないのです。
具体的に例を挙げてお話しますね。
子育てをしたことのある方は激しく同意していただけると思いますが、
「あ〜......今ちょっとテレビ見ててくれないかな」
「今はこっちに来ないでおもちゃで遊んでてくれないかな」
とか思うことって、ありますよね。
私たち母親だって人間です。
できれば自分に都合よくことを運べたらありがたい。
でもそんな時、意識はしていなくても、
ネガティブな意図から行動しているんです...!
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ネガティブな意図から行動するってどういうことかというと、
子どもとの関係性の中で繋がりや愛を大切にするというポイントよりも、
自分の都合や自分の時間、あるいはイメージ、また世間体といったものの方が大事であるというポイントから、自分の思考や行動の方向性を決めているということです。
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そしてそれを悟られないよう、母親は子どもに投げかけます。
「しまじろうあるよ♪」
「そろそろアンパンマンの時間じゃない?」とか。
決して子どもに悟られないよう、
まるで子ども自身が
本当にそれを見たいとかやりたいとか思っているからそうしているかのように、
そっと誘導するのです。
だから子どもは、
アンパンマンを見たりしまじろうで遊びたいと
自分が思っているからやっていると信じています。
そうではなく、母親のネガティブな意図や悪意によって
自分が動かされているだけだなんて、夢にも思っていません。
そして残念なことに、子どもはこのことに、大人になっても気づかないのです。
それに気づくのは、自分を癒し始め、
より深いところまで自分の内側を見ることができるようになってからです。
体感覚の気持ち悪さ、
自分の反応と現実に起こっていることの間の違和感として、
初めてそれが浮かび上がってくるのです。
特に母親からの影響は、想像以上に
私たちの思考の方向や世界の見方・考え方により深く入り込んでいます。
ですので、自分で選んで現実を作っていると思っていても、
必ずそこには母親の影響があります。
ともすれば、母親の願う通りに動いているのです!
反対に、「それは嫌だ」という反発心から、
母親の願っている方向とは真逆に動くケースもあります。
前者の極では、「ママの言うことを聞かないなんてダメ!」というジャッジが
後者の極では、「ママを愛せない私はダメ!」「ママの言うことを聞けない私はダメ!」というジャッジが鳴り響いています。
おわかりでしょうか。
これが自分の中に深いレベルで入り込んでいることに、
私たちは自分が気づかなければなりません。
だからこそ。
自分が考えていることや思っていること、感じていることを、
全てそれらが本当だと当然のように受け入れることをやめないといけません。
それらが本当に自分の考えていること、思っていること、感じていることだと
信じ込むことをやめないといけません。
むしろそれらを疑ってかかるくらいの場所に立ちましょう。
「今感じているこの反応はいったいどこからきたのだろう?」
「どうして私はこんなふうに思うに至ったのかな?」と考えられるようになると、
どれだけ自分の思考や感情が自分以外の存在に影響されていたのかに
気がついていくことができます。
自分の思考も、思っていることも、感じていることも
さらには
世の中で正しいとされていることも
“真実”であるとされていることも
すべて、
物事をすべて見たまま受け取ることを、一度やめてみませんか。
ぜひ、今この瞬間からそれにチャレンジしてみてくださいね。