私はお父さんのようにはならない。


子どもの頃から、父を反面教師として、生きてきました。

恥ずかしくないように。

嫌われないように。

人から指をさされないように。

ちゃんとして、勉強もできて、素直で、先生の言うこともきいて。

父のようになってしまったら、生きていけないと思っていました。

父と正反対の姿になることが、生き延びる方法だったし、それが「正しいこと」だと思っていました。


先日、それまで父しか見えていなかったその場所で

母や祖父母、父以外の周りの大人たちの期待や想いを、無意識に取り込んでいた小さな自分が見えてきました。


立派でなければ。

ちゃんとしていなければ。

いい子でいなければ。


小さな私は、たくさんの大人の期待に応えることを、無意識に選んできたんだなと思いました。


父は父

母は母

私は私


家族でも、私たちは一人一人、全く別々の人間だということを、体験として学ぶことなく

私はずっと、誰かに紐付いた私でした。


父のことが自分のことのように

母のことが自分のことのように

思えてしまうのです。


こんな子どもの意識に囚われたまま、感情的にも精神的にも自立できないままに

私は自分ひとりで立つということ、私という「個」を生きるということを、本当の意味で知ることなく、大きくなったのだと思っています。


自分について、一つ、一つ、知らなかったことを知っていくことで、癒されてきました。

何より必要だったのは、自分のことをわかってあげられる、自分の存在でした。

被害者にも、加害者にもならない、静かな場所があることも知りました。



長い間、見ないようにしてきたものに、触れていくこと

知らなかったことを、知っていくこと

真実を、理解していくこと

気の遠くなるような作業だと、落ち込むこともあります。

でもある時、喜びが結果にではなく、プロセスにあることに気づいて、何かが変わっていきました。

焦ったり、そんなことも忘れて、効率や成果に囚われる自分は相変わらずいますが、

それらがディフェンスであるという理解、そうでない世界があることの体験が、灯台の光のように私の中にともっています

灯台は、嵐の夜の航海も、かならず海を照らしてくれている。

見えづらくなるときもありますが＾＾

拠り所が、自分の中にある。

そう感じられることが、本当に、うれしいと感じます。

知ることは、光を集めること、みたいだなと、思います。


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